梅雨の時期に咲く花と言えば
あじさい
のイメージが強いですが、
そんなあじさいの俳句だと
どんなものが有名なのでしょうか?
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あじさいの俳句で有名なもの:松尾芭蕉
あじさいの俳句で有名なものだと
松尾芭蕉が書いたものがいくつかあります。
まず1つ目が
紫陽花(あじさい)や
帷子時(かたびらとき)の
薄浅黄(うすあさぎ)
帷子とは
夏用の浴衣のような着物の事で、
薄浅黄とは本来は
薄浅葱(うすあさぎ)
と書くのが正しくて、
浅葱色(あさぎいろ)つまり
ネギの葉みたいな青緑色を
さらに薄くしたような淡い青緑色です。
そして上記のあじさいの俳句は
あじさいの色と自分の着てる帷子の色が
同じ淡い青緑色で似ている
帷子を着る季節になって
あじさいの花が青緑色に咲いている
もしくは両方の意味が
込められているとされています。
つまり、
あじさいが咲いて帷子を着る時期が来たので
梅雨の到来を感じさせる
という意味があるわけですね。
その他にも
夏が近づくにつれて
あじさいの色は濃い色に変化するのに対し、
帷子の色は夏が近づくにつれて
薄い色へと変化していく事から、
最初は似てた色が夏に近づくにつれて離れる事で
すれ違っていく様子を俳句にしているのです。
花はともかく服についても
季節の様子を表しているという事で
松尾芭蕉の着眼点はすごいと感じます。
そしてもう1つが
紫陽花(あじさい)や
藪(やぶ)を小庭(こにわ)の
別座舗(べつざしき)
というあじさいの俳句となります。
松尾芭蕉が生涯最後の旅行へ行く前、
門人の屋敷で開かれた送別の歌会で詠まれました。
江戸時代の庭は基本的に
色々な手入れをして手が込んでるのですが、
門人の別座敷は特に手入れされてない
自然のままにされた庭である事から
そこに咲いていた
あじさいと調和していていい庭ですね
という意味が込められています。
生涯最後の旅行へ行くという事で
送別の歌会を開いてくれた門人へ
感謝の気持ちを込めたという事ですね。
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あじさいの俳句で有名なもの:正岡子規
その他にもあじさいの俳句だと
正岡子規の書いたものも有名になります。
その1つが
紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘
あじさいの花の色は
常に一緒の色ではなく、
時期と共に
薄紫から濃い紫色へと少しずつ変化することを
人付き合いに例えているとされてます。
例えば、
友人だと思っていたけども
仲違から疎遠になってしまった
といった感じで、
人の心が花の色のように移ろいやすい
というのを意味しているとされているのです。
その他にも
紫陽花や 壁のくづれを しぶく雨
という俳句もあり、
あじさいや崩れている壁などに
梅雨の雨がしぶきをあげるように降り注ぐ事で
梅雨の時期や雨の様子を表している
とされています。
あじさいの俳句で有名なところまとめ
あじさいの俳句で
有名なものは以上となっています。
あじさいの俳句は何も
梅雨の時期を表すために詠われてる
というだけでなく、
人の心の移ろいやすさや
ありのままの庭とあじさいの調和
等についても詠われていました。
それを踏まえると
昔の有名な詩人の俳句は
着眼点がすごいと感じますね。
ちなみにあじさいに関連した記事は
でもまとめています。
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