椿の花と言えば
冬の花
というイメージが強いと思います。
そんな椿は季語だと
いつ頃のものとなっているのでしょうか?
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椿は季語だといつ用いられるものなのか?
椿は季語としていつ用いられるものかといえば
春(三春)の季語
となっています。
つまり春の期間中は
椿は季語として使うことができるのです。
三春というのは
初春・仲春・晩春の総称で
陰暦1月・2月・3月の3ヶ月のことです。
ちなみに陰暦の1月・2月・3月は
現在の新暦でいうところですと
陰暦(旧暦)1月
立春(2月4日ごろ)~
啓蟄(3月8日ごろ)の前日(3月7日ごろ)まで
陰暦(旧暦)2月
啓蟄(3月8日ごろ)~
清明(4月7日ごろ)の前日(4月6日ごろ)まで
陰暦(旧暦)3月
清明(4月7日ごろ)~
立夏(5月5日ごろ)の前日(5月4日ごろ)まで
となっています。
それにしても
椿と言えば冬の花というイメージが
少なからずあるかと思いますので、
春に渡って使われる季語というのは
意外だったのではないかと思います。
ちなみに椿の季節についてはこちらを参照↓
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椿を季語として用いた俳句はどんなものが?
椿は春の季語となってますが
そんな椿を季語として使った俳句には
どのようなものがあるのかといえば
有名なものだと以下のような俳句になります。
椿を季語として用いた俳句その1
鶯の笠おとしたる椿かな 芭蕉
百歳の家を訪れると
鶯(うぐいす)がさえずってる声が聞こえて
庭には椿の花が咲き誇っている。
なので、
椿の木の下には
無数の椿の花が落ちているに違いない
と考えられますし、
そんな椿の花が
まるで鶯が落とした笠のように見えたのを
置き換えたのが上記の俳句です。
椿を季語として用いた俳句その2
椿落て昨日の雨をこぼしけり 蕪村
椿の花が昨日降った雨を含んだ状態で
そのまま花が落ちてしまい、
雨の水がこぼれおちている様子をあらわしてます。
椿を季語として用いた俳句その3
赤い椿白い椿と落ちにけり 河東碧梧桐
落下の瞬間の椿の花を
表した俳句となっていまして、
赤い椿の花が落ちたかと思えば
白い椿の花が落ちたということで
赤と白の対比が鮮やかに映っている様子となってます。
この俳句の意味についてはこちらも↓
その他の椿を季語として用いた俳句
椿落つる我が死ぬ家の暗さかな 前田普羅
いま一つ椿落ちなば立去らん 松本たかし
流れ来し椿に添ひて歩きけり 松本たかし
流れ行く椿を風の押しとどむ 松本たかし
浦々の浪よけ椿咲きにけり 一茶
落ちざまに虻を伏せたる椿かな 漱石
一水の迅きに落つる椿かな 日野草城
落椿投げて暖炉の火の上に 高濱虚子
廻廊の雨したたかに白椿 横光利一
黒潮へ傾き椿林かな 高浜年尾
花弁の肉やはらかに落椿 飯田蛇笏
一つ咲く酒中花はわが恋椿 石田波郷
椿見て一日雨の加賀言葉 森澄雄
落椿われならば急流へ落つ 鷹羽狩行
椿咲くたびに逢いたくなっちゃだめ 池田澄子
椿に関連した記事はこちらも
椿は季語としていつ使われるまとめ
椿は季語としていつ使われるのかといえば
春の季語
となっています。
あんまり春のイメージが
椿にはないように思えてきますけども、
もし椿を季語として用いる場合は
春の時期に合わせたものにしておきましょう。
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